取組み事例

一度に広い範囲を撮影できる衛星画像を解析することで、地上で起きている様々な事象を分かりやすく「見える化」することができます。特に、広域的に「分かっているようでイマイチ明確になっていないこと」「人手による調査が大変で十分に調べられていないこと」を「見える化」することに取り組んでいます。人工衛星による観測は高分解能化(高解像度化や高撮影頻度)が進んでいます。人口減少・人手不足のなか、地域の自然資源(河川、森林、農地など)の状況を効率的に把握する1つの手段として貢献することを目指しています。

河川域における外来植物の生育分布の可視化

キーワード:オオキンケイギク、機械学習、衛星画像

参考URL:農業農村工学会論文集


特定外来生物であるオオキンケイギクが、河川敷のいつ、どこに、生えている可能性があるのか、河川の下流から中流にかけての生育分布を衛星画像を用いて可視化しました。

▶技術的ポイント:

  • 5月頃に黄色い花を咲かせる特徴を利用し、花弁による色変化を衛星画像から判定
  • 機械学習が出力する確信度により存在可能性で色分け表示

社会への応用性:

  • 生育状況の省力で迅速な把握に寄与。駆除対策を検討する基礎資料として活用

市内における稲の高温不稔発生状況の可視化

キーワード:葉色、機械学習、衛星画像

参考URL:AgriEngineering


稲の高温障害(特に開花期の高温による籾の不稔)が、どこで、どの程度発生している可能性があるのか、とある市内の水田を対象に、衛星画像を用いて可視化しました。

▶技術的ポイント:

  • 不稔が生じると登熟期に葉色の減色が遅い特徴を利用し、葉色変化を衛星画像から判定
  • 不稔の有無ではなく、不稔率を推定することで、被害程度まで推定

社会への応用性:

  • 被害の省力で迅速な把握に寄与。今後の対策検討の基礎資料として活用

降雨後における河川水の濁度空間分布の可視化

キーワード:物部川、べき乗回帰モデル、衛星画像

参考URL:River Research and Applications


一級河川・物部川が、降雨後の濁水により、どこで、どの程度濁っているのか、濁度空間分布を衛星画像を用いて可視化しました。

▶技術的ポイント:

  • 県が実施してきた濁度の定点測定記録を、教師データとして活用(再利用)
  • 異なる濁りの原因物質に対応する2波長を組合せ、推定精度・汎用性を向上

社会への応用性:

  • 人手では困難な面的で詳細な把握を実現。今後の濁水対策検討の基礎資料として活用

放牧地における牧草量の時空間変化の可視化

キーワード:植生指数、状態空間モデル、衛星画像

参考URL:農業農村工学会論文集


土佐あかうしを放牧する放牧地において、放牧期間中(3~10月)に牧草が、どこで、どれだけ成長し、どれだけ牛に食べられたか、衛星画像を用いて可視化しました。

▶技術的ポイント:

  • 牧草活性度の季節変化に対して状態空間モデルを適用し、季節によらない推定精度を実現
  • 放牧地のなかでの牧草量変化(摂食&再生)の空間分布を詳細に可視化

社会への応用性:

  • 把握できていなかった牧草量の把握を実現。放牧地管理や放牧計画の基礎資料として活用